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思いついた所を埋めます。
01. 静かに首を振って
「忍野は、誰かを好きになったり、しないのか?」
きっと精一杯さり気なさを装って、それでもほんの少し掠れるその声が、愛しかった。
「するよ?」
ああほら、駆け引きなんてした事もないくせに無理するから。
予想外の答えが返って来たらもう処理できなくなって、目が泳いでる。
「え・・・あー、たとえば、どんな、人を?」
たとえば、小さくて、可愛くて、お人よしで、頑固で、人のボケには突っ込まずにいられなくて、頭の回転は速いくせに恐ろしく鈍感で、友人や家族思いの優しい子とか、
そうでなければ――
「自立した大人の女性」
「――お前それ、希望する資格あるのか?」
「いやいや、僕がこんな根無し草だからこそ、そういうしっかり者の女の人がいいんだよ。それにそういう人って、こういう定職に就いてないだらしのない男に、意外と弱いものでね」
「自分をだめんず呼ばわりしてまで説明してくれなくていいよ! 悲しくなるだろ!」
ショックを押し隠して冗談に流すけなげな姿なんて見せられてしまうと、こっちも流されそうになるよな。
*** ** * *
02. てのひらで押さえた唇
「阿良々木くん、ひとつ教えておいてあげるよ」
がくんと力の抜けていく体を受け止めながら囁いた。
荒い息を整えようとしながら見上げる顔が、凄く可愛い。
「こういうときに好きだなんて言うと、調子のいい男だと思われちゃうよ」
気をつけたほうがいいぜー、と言いながら、その瞳がざっくり傷つくのを確かめていた。
*** ** * *
03. 頼むから黙って
「誰にでも優しいことなんて、無い。僕は、忍野には優しくしないんだから。困るって分かってて、我侭を言う。お前の都合なんて知るものか。ただ、傍に居たいだけだ」
僕が核心に迫る程に、忍野はきっと酷いことを言って、自分から遠ざけようとするのだろうけど、そしてそれも全部、彼の優しさだと分かるけれど。
分かるからこそ、引き下がれない。
何にせよ僕には、手札を晒す他に戦う方法なんて、無いのだ。
*** ** * *
04. 一瞥もくれず
05. 瞳を閉じたまま
06. 片手で軽く制して
07. 別れ際だけは優しい
08. 聞こえない振りして
「なあ忍野くん、自分、あの子に何したん? えっらい切ない顔して忍野くんのこと回想しとったけど」
忍野くんは暫く考えた後で、
「・・・・心と体を弄んで、ぽいっと捨てました」
「鬼畜やねー」
「鬼畜でしょー」
相変わらずのニヤニヤ笑いが、今日ばかりは可愛えかもーなんて思ったりして。
「で、どっちが先に本気になってもうたの?」
「・・・・」
*** ** * *
09. 話は終わりと言いたげに
10. 一人その場に残されて
拒まれるというか、頑張って拒んでいる。あっれー?
タイトルは、「恋したくなるお題」様より、『拒まれる恋のお題』。
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