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小ネタ、感想、語り等置き場。現在は化物語(腐気味)中心です。☆『終物語(下)』までネタバレ有りです☆
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「『今日も午後から局地的な豪雨』か・・・」

小さく息をついて携帯から顔を上げると、向かいに座る戦場ヶ原は、ノートに淀み無くペンを走らせる手を止めずに、
「七夕が快晴だったという記憶が、あまり無いわ。小さい頃は何度もがっかりさせられて、旧暦の関係で時期がずれているからだと知った時は、少し腹が立ったものよ」
「まあ、どうにもならない事だけどなあ」
昔の人が決めた暦だし。
その頃は毎年タイミングよく見事な天の川を拝めていたのだろうと思うと、ちょっと羨ましいけれど。

「そうね、仕方ないから誰かをいたぶって発散しようかしら」
「僕を真っ直ぐ見つめて言うな」
ふん、と再びノートに視線を落とす彼女は、無表情に見えてほんの少し残念そうだ。
多分、僕と一緒に星を見たかったとか、そんな事を思ってくれているのだろう。
・・・多分、きっと、ちょっとくらいは。

「――でも、いいじゃんか、七夕が雨でも晴れでも、どうでも」
「何よ、えらく軽い扱いをしてくれるわね、ろこすわよ」
「何そのスイーツっぽいのに剣呑な響き!」
じゃなくて。
「僕は別にいいんだよ、もう」
空の上がどうだろうと――

「――あー、やっぱりちょっといたぶっていいぞ、戦場ヶ原」
「阿良々木くんにしては殊勝な心がけだけれど・・・急に何故かしら」
「そうしたくなるような事を言うから、前払いだ」
「?」



君が僕の、輝ける星。



――――――――――




「――何を言い出すのかと思えば。阿良々木くん、余り無理をするものではないわ」

はっきりそう言った訳ではなかったけれど・・・今の僕にとっては戦場ヶ原が星いや勿論あくまでメタファーとしての表現ではあるもののそういったような存在であり、ですから別に今夜夜空の星が見られなくても差し支えないですよ? というような事をぼそぼそ告げた僕は、即座に死にたいほど恥ずかしくなり、熱くなった顔を出来るだけ背けていたのだが、一拍置いてから耳に届いた戦場ヶ原の声は、いつもの通り全く平坦で、むしろ軽く呆れるような色を含んでいるのだった。

「そんな、思いつきで恥ずかしい事を言ってみたものの、うわあこれはどう転んでも僕のキャラじゃないだろう何て事を言ってしまったんだいっそ今すぐ死にたい、みたいな顔をするくらいなら、軽々に口に出したりせずに、その度量の狭い胸に仕舞っておけばいいものを」
・・・分かってたけどね。こういう反応が返ってくるって。だから僕は今更がっかりしないさ。ああ全然しないとも。

「・・・悪かったな、キャラ違いで。でもだからといって、わざわざ僕の台詞で補足して追い詰めてくれなくても――」
って。
「だって見え透いているんですもの、阿良々木くんの顔ときたら」
「・・・戦場ヶ原」
「分かり易い事この上ないわ、浅薄で単純で――」
「おい、戦場ヶ原」
「まあ、恋人の誕生日にかこつけて柄にも無い台詞に挑戦するという蛮勇自体は、蚤の心臓と名高い(「名高くねえよ!」)阿良々木くんにしては、中々の――」
「センジョーガハラサマー」
「・・・カタカナ発音で私の発言を遮ろうだなんて、阿良々木くんはいつからそんなに偉くなったのかしら」
「ノート、破れてるぞ」
「――」

戦場ヶ原の白い手の下、あらぬ力でかき回されたらしきノートのページが、無残にもぐちゃぐちゃに波打っている。
「・・・」
動揺、したのだろうか。
「・・・言い掛かりはやめて頂戴」
「この期に及んでそれか・・・」

全く、僕の恋人ときたら。

「可愛すぎるぞ」
微かに、本当に微かに色づいた頬も。
僕の言葉に小さく震える長い睫毛も。

「・・・言い掛かりはやめて頂戴」
「言い掛かりかよ!」

萌えすぎて――蕩けそうだ。







昼休み携帯クオリティ。愛だけ込めた!
暦はあの星空デートの後、常にひたぎが可愛くて仕方ないだろうなー。



7/10、ちょっと加筆修正しました。
むしろこの後半を書きたかったのですよ!

あー、一応書いておくと、このNL暦と、メメラギのときのBL暦は別の子・・・です・・・。それぞれの次元で、本命一本の子です・・・。すいません本当・・・自由で・・・!(だっ)(逃げオチ多いなーこの管理人)
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携帯の化サイトを見てみたら、例の6つのカットが普通に見られてバスでヒギャアアってなりました。
ネタバレで参ります。暦とひたぎについて。

つづきはつづきよりどうぞ!

1枚目の暦は、本当ーーーにカッコいいなあ・・・。
表情的には多分違うだろうけど、こんな顔で、

「生まれて初めて、真剣に人を好きになったんだよ」

なんて言われた日にはもう・・・っ。
この台詞はもう肝も肝だからまずカットされることは無いと思うので、どんな顔で、声で聴けるのか、とても楽しみです。
目を伏せて優しげに言われたりしたらアウト。私の理性が多分ログアウト(嫌なフラグを・・・)。

猫の言うとおり、ひたぎが告ったのが先だったから、なのかもしれない。
最初は勢いだったかもしれないし、流されてるかもしれない。

猫の言う事は、的確ですよね。
猫はアホだけど、その言葉は、悲しいほど聡い羽川の、暦をずっと見てた羽川のもの。
羽川が、そんな事を考えちゃいけない、そんな風に思っちゃいけないと自分さえも騙して見ないようにしてきた事たちだから、当たってるのは当然。

そんな、綱渡りのようなまぐれ、偶然みたいに始まった二人だけれど、それでもやっぱり、暦にはひたぎしかいないし、ひたぎにも暦しかあり得ないのだと思います。

優劣や順番じゃなくて、何だろうなー、もう、セットになって初めて一人前って気がするくらい、二人はお互いにぴったりで・・・何度でも、お互いに出会えて良かったねと心から思うのでした。



こんな所でなんですが、こないだ読んだ暦×ひたぎの男性向けR18本がものっすごく良くてねえええ・・・!(本当にこんな所でなんだな!)(普通に感想送れよ!)(そうする)

二人の初えっちのお話だったのだけど、かんぺきだったの・・・!
暦は暦で、ひたぎはひたぎだった!
暦とひたぎの初めてって、きっとこうだ! これだー! と一人大盛り上がりでねえ・・・(どうなんだ、それも)。

だってほれ、暦とひたぎですから。ひたぎですから。初めてって本当に妄想しづらくて。
暦はひたぎを物凄く大事に扱うんだろうなーとか、ひたぎは暦が相手だとしても体が勝手に怖がるかもしれないなーとか、でも、暦のためにも自分のためにも虚勢を張るんだろうなーとか、暦はそういうの全部分かった上で抱き締めるんだろうなーとか、色々考えてたんですけど、そういうぐるぐるにいっぺんに答えを見せてもらっちゃった感じ?
軽口も、愛の言葉も、どこまでも本物に思えて、あーもーこの一冊でいいわ暦とひたぎは! とさえ思ったね! いや他のも読むけどね! いい暦×ひたぎ本があったら是非教えて頂きたいですv

ああーいい買い物した・・・。通販、ばん・・・ざい・・・(ぱた)(そんなオチ)



これ、絶対前にもどこかで書いた気がするけど、いいや書いてしまえ。

忍野は漫画読みだから、2話ラスト、ひたぎの「私、とても嬉しいわ(にこ)」に、「――!(ぱああああああ)」ってなってる暦を見て、

(人が恋に落ちる瞬間を、初めて見てしまった・・・)((C)ハチクロ)

なんてねー(笑)、とか、真面目くさった顔の下で思っていると考えてみると、面白いですよね。

「あ、でもそうすると、阿良々木くんが振られちゃう役だなあ・・・ごめんね、フラグ立っちゃってたら」
「意味は分からないが僕を肴に脳内で遊ぶのはやめてくれ」
「いやあ、でもこの人間関係は怖いよねー綱渡りだねー。純情な僕にはとてもとても」
「何だろう・・・お前の恋愛遍歴なんて知らないし知りたくも無いのに、今全力で『嘘だッ!!』と叫びたい」


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