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小ネタ、感想、語り等置き場。現在は化物語(腐気味)中心です。☆『終物語(下)』までネタバレ有りです☆
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感想なのにメメラギカテゴリという時点で、お察し頂けるかと思いますが・・・以下の感想は、完全・腐女子視点です。病むを得ませんでした。おっと、何と空気を読んだ誤変換でしょうか。時節柄、ご先祖にでも突っ込まれたかのようですね。止むを得ませんでした。

ここで多くは語るまい・・・では、ご理解のある方、そして神原先生のように支離滅裂という言葉が大好きな方は、よろしければつづきへどうぞ。

あ、普通の感想もあるんですけれども、それはまた別の機会に!



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実を言いますと今現在、たぶんちょっと熱があって頭と目が痛いので、萌とは別の意味合いで支離滅裂かと思われますが、ちょっと、ちょっとこれだけは書いておきたいんだ!



ぱたん、と最初に本を閉じたときまず浮かんだ言葉。

ああ、今回はメメ×ラギじゃなかったな・・・。

メメ>>>ラギだったな・・・!


・・・いやいやいや落ち着け私、ともう一度152頁から(お前!)読み返して、ぱたん。


もう忍野さん、阿良々木くんのカラダ触りすぎ!


あ・・・あれー・・・?

・・・だってさ、あの手当て(!!!)(ずたぼろの暦を忍野が云々なんて美味しいシーンがここでまた拝めるなんて・・・っ!)シーンの辺り・・・もう、何ていうの? 忍野の、包帯ほどいたり、肩に触ったりなんていう動きが、まるで二人の会話の邪魔をしていないという・・・ね・・・(愕然)。

上半身(多分裸)をちょっと起こしただけの暦とその横に座って? 跪いて?(これはこれでゴフッ) 甲斐甲斐しく肩の怪我のお世話をする忍野ってだけなら、まあ、まあな、手当てだし? と、鼻血を拭きながら思えたかもしれませんが、

  肩に置いていた手を、忍野は僕の頭の上に

あ・・・頭撫でちゃったものおおおお!
「こら」こつん(アニメ化ありがとうございますそしておめでとう私!!!)(ピンポイントすぎ)だけでも大変な宴だというのに、撫でちゃったものおおおおおお!!
撫でたというか、頭の上に手を置いて説得しているわけですが・・・ずいぶん、大事に扱うんだなあと、ね・・・。
うん、大事そうだった。

ただ、一瞬本を閉じちゃったくらい(笑)盛り上がったのも本当ですが、不思議と、胸の痛いような、切ないようなシーンでもありました。
大人と子供、玄人と素人で、きっちり境界線を引いてしまう、引かれてしまう二人が切なかったです。

「阿良々木暦くん」
忍野が暦の下の名前を呼ぶと嬉しい筈なんだけど、普通の大人の表情に戻ってる感じで、遠くて、これまた切ない。


・・・まあその間中、忍野さんはずーっと阿良々木くんの頭を撫でていて、阿良々木くんは抗議するでもなく疑問を抱くでもなく普通に会話をしちゃってるんだけどね! ええっ、この二人、結婚してるんですか!? まだ? どうして?

あと、暦の携帯が鳴りっぱなしだったこと、知ってるんですね、忍野さん・・・(むずむず)。


ズタボロの忍野! これまたびっくり! そして未知のときめき(こいつ)。
惜しむらくはあのツンデレ高校生の一人称・・・駆け寄って、どうしたんだよ! 名前を叫んで駆け寄ってどういう距離でどういう姿勢で助け起こそうとしてしかし戸惑って結局伸ばしかけた手を引っ込めて、忍野を泣きそうな顔で見つめたんだよ!(さりげなく混ぜる)
ほんっと、生粋の受けだなあ暦は! されたことしか描写しやがらねえ!

で、親しくないとかドイヒーなことを言うくせに、肝心なことは押さえてきやがる! 誇りを持っている。って。
お前・・・そんな誠実さで見つめておいて・・・この朴念仁。


そして解決というか、収束に向かうわけですが・・・忍野のやることなすことが切ないんですけど!
殺したくなるとまで言われちゃって、友達とかベストフレンドとか言っちゃって(嫌悪感抱かれちゃって)、結婚しちゃえばとまで言っちゃうんだよー・・・うわあ・・・腐っててすいませんでもこれは切ない。

まるで、叶わぬ恋をした人が、自分を捧げ尽くして、一人で勝手に諦めてゆく物語みたいじゃない?

・・・ああ、それは、表の、本来の本編の、阿良々木暦の姿か。
なら行間しか読まない腐女子としては、この結論でいいかなと。



公式に小説に出てくるのって、これが最後なのかなあ、忍野。

「軽はずみに言えない言葉は誰にだってあるよね、阿良々木くん」

最後にそんなこと言われたら、もうノンストップになっちゃうよ、あたしゃー。



しかし、あんまり表の物語に絡ませるのもなんだけど。
忍野×暦×羽川って図式に見えちゃったなあ今回・・・。







なんか頭痛引いてきたので(萌えって凄いな)、もう少し箇条書き。

■羽川
最高だったかも。
圧倒的で、何度もゾッとして、ぐらぐらきて、魅了されちゃった。
忍野相手に、手加減・・・!?

・・・抱いて!(黙ってろ)

■忍
やっぱり抱かれたい幼女ナンバーワンだよーカッコいいよー!!
やべえ、マジでカッコいい。惚れちゃう。抱いて!(しつこいよ!)

そして最強可愛い。
ま、まいうーって・・・何を教えてるの忍野さん。それとも自分で覚えたの。ドーナツ知らないの。底なしの可愛さだよ全く! ていうかもう仲直りできてね?

■暦
朴念仁。あほう。
でも、あーそうなんだ、このアホで変態で残酷で的外れな、優しいこの子が、大好きなんだって、改めて思いました。

「がんばれ」
この馬鹿! って思うのに、泣きそうだったよ。


うーん、全体的に、面白かった! おお、面白かったよ!(びっくりしたように言わないの)
さー、もっと細かくねちねち色々拾うぞー!




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つばさキャット(下)、届きました!
続きから色々感想、ネタバレOKな方はよろしければどうぞ。










まずはパッケージ。

■よう来なすった忍さま!
この忍、あどけなくて絵的にはすっごく可愛いんですけど、最後に全部食っちまう忍――って、凄く象徴的で面白いなと思いました。
なんかね、本編中では決して心に余裕があったとはいえない彼女だけど、よわい500歳の怪異の王様、ばたばた右往左往する子供たち(含む忍野)を、全く騒がしいのうって、ドーナツを召し上がりながら思っていそうな、そんな感じですよ。

■ぱかっとな。
・・・暦INラブホきたーーーーー!!(もう場所のラブホっぽさについて説明すらしないのか)
ああ、そうかそうか、ここでこれ・・・! やった・・・やっと普通のサイズでお手元に!(笑)
前にも舐めるように語ったので割愛しますが、ほんっとえろいわーこれー。
腰も相当ですけど、やっぱり手首! 左手首! が! えろい! このエロガキが・・・っ!

■ぺら
おお、キスショットのカラー設定だ!
靴は白だったんだーへー。あ、リボン、赤だと思い込んでた・・・。

中村先生の忍野(セクシーーーーーー)と、ブックレットの暦を並べて、
・・・きゅん(私のバーカ)。

もう一枚のエンドカードは、何よりも忍のダウナー顔が気に入ってしまった。すごいクマ出てるよ忍ー!

何度見てもがっかりするひたぎのしたぎですが、ハタ坊を見てさえイイオトコと呟けるなんて・・・(きゅん)。
ごめんよ、ケツ掻いてんじゃねーよとか半泣きで言ってごめん。愛が重くてごめん。


さて、ではいよいよ本編を・・・。


・・・とりあえず真っ先に音声をオーディオコメンタリーにしてしまう私。いや、多いと思うよこういう人は!
いや本当は本編を正座して視聴してからにしたいんですが、平日だしなあ・・・。


■「巨乳萌えと聞こえてしまって」
フルスロットルでスタートだ! 流石は僕らの神原先生だー!
「馬鹿な事を!」の声がカッコよすぎて・・・無駄・・・すぎて・・・最高だよ・・・。

「よーし頑張るぞー」の弱弱しさが可愛い。

■「中学2年と3年生です!」
みうらじゅん先生おっしゃるところの、42歳児、的なあれですね。

■「嫌いなのだ」
ええーーーーー!?
素でびっくりです。てっきり大好きで大好きで、縛り付けておかないと襲い掛かっちゃうのかと思っていたので、って、あ、そういう理由! 全くこの子は! うふふ。

■フレンドプラス
・・・ふれんどぷらす。なんて悲しい響きなの。
フレンドを、プラスするんだね、君の人生に・・・っ(泣けてくる)。

あー・・・BL的な意味じゃなく言いますが、阿良々木くんにとって、あのアロハのおっさんは何だったのかと。女子だけでなく男子にもひどいよな!
勿論、BL的な意味で申し上げるならば、あの人は友達じゃなくて恋び(はいはい)

■BLゲー
この手馴れた略称がいやだ(笑)。

・・・なんか・・・これも一応、男友達といえるかもしれないよな・・・と思いながらクリアしてそうで、可哀想、あのソリストが(その名称を忘れてやらない事の方がよっぽど可哀想)。

神原さん、出来ればそのゲーム、skriさんていう声優さんがご出演なさっている作品にしてはどうかな?
暦が変な気持ちになるかもしれないしね。何それ、新境地。

■「しかしなるほどそのゆるさが阿良々木先輩には」
きっ。(可愛い)
よく訓練された後輩である。

■「こ の 目 だ 」
ええっ、あれ、新カット!?
じと目! 電話だからか感情が顔に出ちゃったかな。可愛いなあー。

■かきなおしがきたぞーーーー!(おおかみがきたぞーみたいな調子で)

えっ、

あっ、

最初に暦を見下ろす所も、
振り向く暦も、
それをまた見る所も、目を伏せるところも、
書き直されてる・・・!

気がする! たぶん。

何か、より微妙な表情になっていませんか。あああ。

うわあ・・・暦と目線が交わるシーン、WEB放映時はもっとニヤニヤ笑顔だったような気がするんですけど・・・笑顔、といえなくもないけど、笑って、ない・・・?

うわあああん! いい顔をありがとうございますー!

■「別れを見ていたわけか。特等席だなあ・・・」
ええ・・・っ、居たの、猫?
居ないと思い込んでいた・・・縄も解けてたし、でも、コメンタリーがそう言うなら居たんだよね。
居たの!? 見てたの!!??


***


「・・・あー! ニンゲン! はやくほどけにゃぶっ殺すにゃー! ・・・にゃ? 無視するにゃー!」

うるさいなあ、お前には関係無いよ。
・・・いや。

「・・・僕が、関係無くなるのか」

ああ、もう一回だけでいいから、

君に


***

・・・という夢を見たのさ、今。


「ああ、行ってしまった」かあ・・・。


■子供の頃、マモーが怖かったが、大人になるととんでもないルパ×不二でもえたよねっていう。
本編と関係ないけど。

・・・って、不二子をポイ!? マジで!? あれ、ノーカットで見たことあったと思ってたけど・・・。
ルパ×不二大好きすぎて、カリ城は面白いけど不二子が脇なのがちょっとねーとすら言う私なのに!

■「おっぱいだと思え!」
頭を抱える他は無いこの名フレーズですが、ロマンチックバージョンは、神原先輩にほっぺを両手で挟んでもらっておでこをくっつけて、この声! そうこの声! で、囁かれたら、もうメロメロに・・・あ、駄目だ、試合どころじゃないや。

■「何せ、根が貴族様だから」
・・・そうなんだよ! だから絆創膏より全く穿いてなムグッ
いい加減自分でもしつこい気がしてきたので、我慢。

■「――正しいことを言うじゃない」
おっと・・・けっこう言いますな。カッコいいね。

そんな阿良々木先輩に惚れたのだろう、貴方たちは。そう文句を言うものじゃない。

て、所かな。

■あっちむいてほい
ED画像のひたぎと暦! かわいいいいいー!

■「大好き!」
なーんだあ! もう、可愛いなあ神原は!

■「変わらず、変わりながら、自分の人生を」
ば・・・っ、何だよ、こんなところで泣かせるなよ・・・!
そうだね、こんなに愛した子供らは私も久しぶりだったよ。

ずっと元気でいてね。



***



■「直江津高校三年生、阿良々ぎ「ついに来たこの時が!」
まさか私の夢が羽川によって粉砕されるなんて・・・っ!!!!!
あわわわわ、ああああ、阿良々木って・・・阿良々木って・・・お怒りになってらっしゃるよ・・・(戦慄)。

■「膝の上か膝の下かっていうなら膝の上だけど」
へえ・・・

いや、何も想像などしていないよ?
上なら慣れているのかなんて思っていないよ?

■「だ よ ね」「だよー」
怯え気味のだよーが可愛い・・・

しかしそうか、羽川はどう凌ぐんだ、この公開処刑・・・と思っていたら、まさかの逆処刑・・・っ! やられたわあ・・・。
あーこりゃ忍野との別れどころじゃないに100円・・・(苦笑)。
まあいいさ羽川! 存分にその尻の下の男子を陵辱してやりな! 君にはその資格が十二分にある!
何なら剥いたっていいんだぜ!(俺得)

■「たかが!?」
あ、この直後のシーン、一瞬暦の腹チラが見えてえろいです(そうですか)。
この隙間感、手を突っ込ませるのによいですね(そうですね)。

■魔がデフォルト!?
何て事言うの・・・この淫乱! 複数の男に穴という穴を塞がれろ!(斜め上からの言いがかりそしてセクハラ)

■「囃し立てないでください」
恋人と同じ苦境だ(笑)。

■「気付いていませんでした」「ぽむん!!!」
ぽ・・・ぽむん!?
殴ったことよりこの音にくらくらきて、殴られた! とか言ってる暦の可愛さが完全に霞んだね!

■「羽川翼とブラック羽川」
なあにいいいいい! それは聞きたかったなあ! ねこ×つばさ!(そうはなるまいけど)

■「あら・・・らぎくん?」(クラスの女子)
誰か・・・誰か早くフレンドプラスの開発を・・・っ!(目頭を押さえながら)

■「超ウケるんですけどおー」
羽川の声で超ウケるって聞けてちょっと嬉しい。

■せんさつ
えーーーーーーー!!
最後まで大変だなあ・・・。

「仕上げたい所から仕上げたのかなあ」
な・・・なんて生々しいコメントなんだ!
じゃあ、あれだな、きっと一番はじめに、例のばんそムグッ

うん、破の感想はどう考えても西尾先生の言いたい事ですよね!
まあ無理も無いので、よいです。
私も見てないけど、折角ここまで見そびれたから、急まで出揃ってからにしようかなあ。

■「復讐に立ち上がろうとなんてしない」
完全に同意。
本当そう思います。あの子が暦を失って、立ち上がれる訳が無い。
そして、羽川を責められる筈が無いんだ。
神原の事だって、もしも本当に彼女が暦を殺したとしても――ひたぎが殺すのは、ひたぎ自身に決まってる。

■「完璧に絵があった!」
まさか本当に忍から!?

■「はい、きちんとします!」
嘘つけタガ外れっぱなしじゃねえか!(笑)

■「台無しだろ!!」
いや・・・待てそこの変態高校生!
台無しどころか・・・おいしい、それはおいしいよ!?
だって、来てたくせに会ってくれなかったんだよ? 想像の翼が羽ばたきまくるよ?

「あいつ、そういう所びっくりするぐらいドライだからなあ」
あいつって、忍野の事だよね。
びっくりするぐらいドライ、ねえ。

本当にそう思ってるのか、そうじゃない事を知って、こう言っているのか・・・はい、ここが腐女子の読む行間ってやつですよ!

■「廃墟案内ツアーとかでしょ」
・・・。

・・・・・・。

・・・・・・暦は、宝物を、見せてあげようと思ったんだよね?

宝物なの? 廃墟。
廃墟に、暦の宝物があるの?

今回、い・・・っちばん、驚いた。息呑んじゃった。

ずっと、暦の宝物って何なのかな、特別な風景でもあるのかなって考えていたんだけど・・・廃墟。
いの一番に。
そうかあ・・・。

いや・・・自分ルールで、NLとBLは混ぜないんだけども・・・いや、これはBL云々じゃなくて、暦が皮を剥がれたのは、決して廃墟という場所そのものの問題じゃなかったんじゃないかと・・・思うよ? 本当にあの人のこと大好きだよね阿良々木くん・・・(苦笑)。

■「そろそろ締めが近いけれど!」
凄い大声でかぶせたように聞こえました。今日も元気に腐女子ですありがとうございます。

■「なんかいいことありました!」
はい私もありましたー!

はあ・・・これで化物語、完結ですかあ・・・。

猫物語も明日探すつもりだし、まだお別れ感はそれほどではないのだけど・・・後から来るのかな。
ここまで思いのままに書きなぐりましたが、読んで頂けてたらありがとうございます!




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すごく・・・いたしています・・・ので、続きへ。
少し病んでる忍野さん平気でしたら、どうぞです。色んな意味で、いたいです。








「――っ!!」

先端を挿れただけで、もういっぱいいっぱいだった。彼も、それから僕も。
指で大分慣らしたつもりだったが、それでも初めてそんな異常な事に使われようとしているそこは、本人の意志に逆らって、異物を受け入れまいと必死に抗がっている。
本人の意志――いや、目の前で歯を食い縛って、ぎゅっと瞑った瞼からぽろぽろ涙を零しているこの子自身だって、もう、これ以上は耐えられないだろう。
僕の方も、多少潤わせたものの、初めに押し入れた部分だけであとはびくとも動かせない位にキツいそこに咥え込まれたままで、正直、いいとかよくない以前の問題だ。

「お、しの・・・ごめん」

だから僕は、苦しい息の下から名前を呼ばれた時、こう応えるつもりだったのだ。

 謝らなくていいよ、痛いだろう。無理しないで、今日はここで止めておこう。

別に君を傷つけたくて始めた事じゃなし、抜き合いでもすればいいよね。
そんな風に笑ってみせよう、一抹の理性が残っていたことに感謝しながら。

でも。

馬鹿な子供は、荒れ果てた廃墟で固い床に組み敷かれて、後ろに突っ込まれて泣き叫びそうな痛みを堪えながら、そっと、僕の頬に震える両手を伸ばしたのだ。

「ごめん、な。・・・いたい、だろ?」

「・・・・・・え?」
言葉の意味を量りかねた。
いたいから、じゃなくて、いたい、だろう?
「きもちよく、なくて、ごめん」
「――」
苦しげに途切れる声でそこまで言われて、やっと理解する。
この子は、文字通り引き裂かれるような自分の痛みを当たり前のようにすっ飛ばして、僕の、

「でも、たのむから、ぬかないで、くれ」
すぐ、慣れるから、だから。
そう言って泣き笑いを無理に浮かべて、
「はなれないで」

ほんの一瞬、頭が空白になって、それから、何かが、ごっそりと、剥がれ落ちた気がした。

「この――馬鹿」
低く唸るような声は、確かに僕のものだった。

暖かく両頬を包み込む指をむしり取って、殆んど叩きつけるような勢いで床に縫い付け――
力任せに、突き入れた。

「――ッ、あぁ・・・っ!!」
刃物で刺されでもしたかのように、組み敷いた身体が硬直して仰け反る。
それでも腕を押さえられて1ミリも逃げる事など許されず、大きく開かれた脚ががくがくと震えた。
「っ・・・」
一旦先端近くまで引きずり出して、もう一度腰を叩きつける。狭すぎる場所に捩じ込む痛みに、歯を食い縛りながら。
「ひっ・・・ぅあっ、あ――」
彼は激痛に悲鳴さえ上手く上げられない。
見開いた目から涙だけが溢れて、また突き上げる時に雫が床に散った。

「いっ・・・!」
ぶつりという感覚と共に、少し滑りが良くなった。どこか裂けて、血が流れたんだろう。ちょうどいい。
気持ちいいかどうかはもう自分でも良く分からないが、獣じみて熱く硬くなってる僕のは出すまでにはまだ猶予がありそうだから、思う存分かき回して食い荒らしてやれそうだ。
「・・・ぉ、しの・・・っん、あ・・・あ、ああ――ッ」
涙に、悲鳴に邪魔されながら、それでも合間に誰かの名前を呼んで、懸命に伸ばされた腕は無視した。
腕――ああ、いつの間にか僕の両手が彼の手首を開放して腰を掴んでいるからか。
「あっあっ、あっ――」
細い腰を押さえつけて、或いは、太腿を自分の腰へ引き寄せて、揺さ振られて声が途切れているけど、泣きじゃくっているだけで、ちっとも悦さそうになんか聞こえない。


何で、こんな事してるんだっけ。
どこかでぼんやり、そんな声がした。

初めて、彼を抱いて――それで。
彼があんまり馬鹿な事を言うから。
僕なんかを、まるで尊いものか何かのように扱うから、無性に腹が立って、

 こわくなって、

そうだ。馬鹿な子供に、思い知らせてやりたくなったのだ。何を。何かを。

 ちかづくなって。

君が僕にどんな幻想を抱いているのか知らないし、知りたくもないけれど、怪しい奴にそんな無防備に何もかも捧げたりするから、こんな目に遭うんだよ、って。


辺りはいつも通りとても静かで、僕たちの立てる音がよく響いていた。
荒い息遣いと、少年の悲鳴、肉がぶつかり合う音、今カメラでも回ったら、凄いAVが録れそうだ。
打ち捨てられた廃墟に連れ込まれて、得体の知れないおっさんに犯される女の子みたいな顔の高校生、泣いても叫んでも、助けなんか入らない――か。そっちの人に受けそうだな。

出来るだけ下種な事を考えていると、知らず、腰の動きがせわしくなってくる。
僕はそのまま、何も言わずに、遠慮もせずに、彼の中にぶちまけた。
「あっあっ、――あ、ぁ・・・っ・・・あ・・・っ」
どくどくと注ぎ込まれる感覚に気付いたか、掠れた声が力無く漏れた。

はあっ――と息をついて、彼の顔の横に肘を付いて倒れ込んだ。
一時の吐精の快感が引いていくのと入れ替わりに、泥の様な後悔が腹の底から湧き上がって来る。
何て言うべきかなんて、何ひとつ思いつかない。
ただ、自分がやらかした事を被虐的に反芻して、意味も無く嗤った。


「おしの・・・・・・」

ああ――どうしようかな。このまま、放り出して寝ちまおうか。
そうしたらきっと、ラクだろうな。

ふわり、と。
その時、頭に触れる感触があった。
のろのろと上げられて、ぱたりと落ちた腕が、僕を抱き締めたのだ。
「、あ――」
「おしの・・・・・・忍野」
不思議と、その声だけは掠れずに、澄んだ音で耳に届いた。

「阿良々木、くん」

呟いて、ゆっくりと顔を上げる。
「なん、だよ・・・その顔」
僕の首に腕をかけたまま、少年――阿良々木くんが、泣き腫らした目で微笑んだ。僕は今、一体、どんな顔をしているのだろうか。
「――よかった、ちゃんと、できた、な」
「――」
呆けている僕に阿良々木くんは、照れたように、嬉しそうに、そう告げた。

・・・何を言ってるんだろう。
この子は、まさか今のがまともなセックスだとでも思ったのだろうか。
散々悲鳴を上げて、逃れようと無意識に身を捩るのを止めなかったくせに。

「ちゃんとなんて――出来てないだろ」
「え・・・・・・あ――でも、忍野は、出せたし」
「・・・君は? 君は、まさか、今の、嫌だって、思わなかったのか」
今の、ただの暴力を。
じっと見詰めて問い質した。問い質さずにいられなかった。
阿良々木くんは、きょとんと僕の目を見返して、やがて何処か後ろめたい事でもあるような顔になる。
「あ、その・・・・・・ちょっと、いたかったけど、・・・・・・うれしかったから、な」

散々悲鳴を上げて、無意識に身を捩って、僕の肩にしがみついて――
――一度も、「やめろ」とは、言わなかった、けれど。

「きみ、は」
正直、ゾッとした。
うれしい、だなんて。

君は心底ドM野郎か、よもや、相手が僕だったからなんて言うのなら、

「頭が、おかしいよ」

何だろう、痛い。
喉が。胸が。
内臓が剥き出しになったら、こんな風に寒気がして酷く痛いのだろうか。唐突にそんな事を想像した。

嗤っているのに苦しくて、もう一度彼の顔の横に顔を伏せた。
当たり前のように腕が回されて、もう一度、そっと抱き締められる。
「忍野・・・」
優しい声を耳元で聞き、柔らかい羽根で包まれるような不思議な感覚と共に、どうしようもないくらい僕は理解した。
「おかしい、かもしれないけど・・・本当、だから。忍野がなんか怒ってるのは、分かったけど・・・それでも、いやだって思えなかったんだよ」
ごめんな。こんなに、好きになって――。


阿良々木くんを傷つけるなんて、僕には到底出来ない事なのだと。


暫くその思いに打ちのめされてから、僕はおもむろに腕を身体と床の間に入れて、掬い上げるように阿良々木くんを抱き締めた。
「ねえ、阿良々木くん」
「うん・・・?」
「優しくしても、いいかい」

僕がいいかどうかなんてもうどうでもいいから、君にうんと優しくしたい。
痛くした場所全部にキスをして、可愛がって、気持ちよくして。
「返事、してよ」
前髪をかき上げて綺麗な額に唇を触れながら、身勝手に問い掛ける。
「あ、え――」
真っ赤になった阿良々木くんが、どう返事を返したものかと口篭る。

「僕はもう、君が許してくれる事しか、出来ないから」

この子の恋情は絶対に何処かおかしいけれど、それなら、それに持って行かれる僕の方だって、相当おかしいのだろう。
だったら、いい。この頭のおかしな子供は、僕が引き取るし、


どこかの寂しい子供は、この子に引き受けてもらうんだ。







やってるだけだった・・・(そのコメント)。
急に、あったまおかしい阿良々木くんと、それにビビる忍野さんがこう・・・降ってきてですね。むらっときてやった。すいません。

タイトルの英単語は一応全部ぼにーぴんくの歌のタイトルの、その英単語のつもりで並べました。
Addictionなんてもう、ヤンデレ忍野さんきたあー! と膝を打ったものです。

『病んだ自分を癒すものを求めても 叱らないで』



下にその後のえろしーん抜き書きをしてみました。
ひたすらいちゃいちゃ。ざー(砂糖)。







「やっ・・・ちょ、忍野、どこ舐め、て、やあっん!」
「さっきの傷と血、やっぱり殆ど消えちゃってるね・・・もう、中も痛くない?」
「痛くない!いたく、ないからぁ・・・っやだ、中、だめぇ・・・っ」
「ああ、ほらちゃんと膝付いて、もうちょい腰上げて。よく見えないから」
「見、んなぁっ――あっだめ、だめ、まえ、いっしょに触っちゃ、ふぁあっ」
「うん、もう大丈夫かな・・・綺麗なピンク色に戻ったよ、よかったね」
「――っば、こ、この、馬鹿・・・っよく、ないぞ! 馬鹿忍野! おまっ、や、ん、僕が許さないと何も、ぁんっ、しないって――」
「あー・・・あれね。これはえーとねー・・・うん、優しくする、の一環だから。セットセット」
そっちはお許しを頂いたからねー。
「ご一緒にポテトもいかがですかみたいな事を――ひゃあぁんっ!」
「いやいや、むしろご一緒に僕の――痛って・・・! 蹴らないでよ酷いなー」
「うるさい! 馬鹿! エロオヤジ! あっ・・・v」







しーてるーだけー(投げやりに言う資格は無いからね?)。

阿良々木くんを簡易ベッド机の上に乗せて、四つん這いにして怪我チェック。
暫くしたら治るからという必死の訴えは無視されました。

ところで、阿良々木くんのあえぎ声の語尾に全部「v(はーとのつもり)」をつけると、一気に男性向け風になりますよね!はーとのついてるあえぎ声、可愛くて気持ち良さそうで好きー。


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「おや、どうしたんだい阿良々木くん」
「こんな時間に。眠れぬのか? お前様」

ぼんやりした灯りに浮かび上がるカウンターは、昼間とはまるで違う表情を見せる。
騒がしい昼の海に似つかわしい雑多な小道具たちは暗がりに身を隠し、代わりに高価そうな酒瓶とグラスが二組並ぶ。その光景は、昼間ここで立ち働く僕が驚くほど様になっていた。

絵になっているのは、舞台装置だけではない。
いや、むしろ、空間そのものが妖しく揺れているような気がするのは、そこに居る一人の女性のせいなのかもしれなかった。

「どうしたのじゃ?」

人工では絶対にあり得ないだろう、眩しいほど鮮やかなのにけぶるように柔らかい金髪、そしてそれに縁取られた寒気のするような美貌に、僕は決して見慣れるという事が無い。
毎日、日没と共に現れる、成人した忍の姿だった。

リゾートらしいゆったりとしたシルエットのドレスに、すらりとした(一部自己主張の激しい)スタイルの身体を包み、スツールに浅く腰掛ける彼女は、ただそれだけでモデルか女優さんみたいで――その奥で気楽そうに笑う忍野までひっくるめて、何だか、都会のバーにでも間違って入ってしまったかのような(よく知らないけど)戸惑いを覚えてしまう。

「ああ、いや、トイレに来ただけ。そしたら灯りが漏れてたからさ」
明日の仕込みでもしてるなら、手伝おうかと、思って。
ぼそぼそと告げると、そりゃ悪かったねー、と忍野が笑った。

忍野も今はカウンターのこちら側、その手に琥珀色の液体とロックアイスが入ったグラスをぶら下げて、忍の隣に腰掛けている。
ウイスキーか何かだろうか、ビールを程々に呑む所しか見たことは無かったが、こうして見ると、如何にも強そうだ。

「――ならこちらへ。お前様もそろそろ酒の味くらい覚えんとのう」
「こらこら忍ちゃん、阿良々木くんはまだ未成年だよ?」
「固い事を言うでない、小僧。なに、我があるじ様は、カラダのほうはもう立派に大人じゃろう?」
「いかがわしいなあ、その言い方」
「それに、あるじゃろう、ほれ、まるで水のような・・・びーる、とか言ったか。あの無粋な飲み物なら、さして強くも無し――全く、あのようなもの、暑かった一日の終りにぎんぎんに冷やしたのを一気に喉に流し込み、『っかー! この一杯の為に生きておるのう!』と、定められし呪文を唱えるときくらいにしか、存在意義を見出せんわ」
「うん・・・貴族の血統の伝説の吸血鬼を、ここまで親しみやすいキャラにしてしまった事に、僕は今軽く責任を感じているよ・・・」

カウンターに背を預けるようにして座りお気楽な会話を交わす二人は、何だかとても――。

「いつまでそんな所に突っ立っておるのじゃ。はよう来んか。仕方ないから今この丁稚にミルクでも用意させるぞ」
「丁稚なんだー。ていうかちょっと酔ってるよね忍ちゃんは」
「おぬしは全く変わらんのう、つまらんわい」

何だかとても、絵になるなあ。
(いや、会話はこんなだけど)

「――いや、いいよ、用事が無ければいいんだ。もう寝るから。おやすみ」
引き止められる前にさっと踵を返した。

暗い廊下を自室へ急ぎながら、僕は一言だけ。

いいなあ。

と、呟いた。



* * *



「どうしたんだろ、阿良々木くん」
「気後れしておったんじゃろ」
「何で? まあ、酒は出てるけど」
「いや、どちらかといえば、釣り合いがとれぬ――とでも思ったか。全く、可愛らしいあるじ様じゃ」

くすりと笑う忍に、忍野は、ふむ、と一瞬間を置いてから微妙な顔になった。

「釣り合いね・・・それって、僕と忍ちゃん、どっちと?」
「おや。・・・おぬしも少しは酔っておるのか?」







海の家、折角ちょっとパラレル(ちょっと・・・?)なのだし、忍(大)も出てきて欲しい。そんなスタートで。
子供組が休んだ後で、お酒呑んでる大人たち。たまにドラマツルギーさんとかも加わる(最近日本酒にはまった)。
貝木は一人呑み派。ギロさんは呑みません。
エピは呑めるんだけど、最近、暦に付き合ってあんまり呑まない。呑む時は何でもいいのかな。酔えりゃいいみたいな。

忍はワイン(当然、赤)呑んでます。何か凄く高い奴。
あの二人が揃ってカウンターに居たら、とても絵になると思うんですよね。
暦はそんな二人を見て、ちょっと気後れというか、遠慮しちゃった感じで。忍野と忍、どっちも羨ましいのではないかと。
というか、何に対して「いいなー」なのかはっきりとは分かっていないのかしら。ちょっと疎外感。


それにつけても、最近、色んな大好きサイト様で忍野と忍と暦の微妙な関係性を描いた作品を拝見出来て、とっても幸せです。
ああっ、そう来ますか!(ドキューン)(撃ち抜かれる音☆)(うざい)
難しいんだけど、面白い、この三人。

三人でプラトニックに愛し合うのも、非・プラトニックに愛し合うのもいい。
見た目が、大人(忍野)―少年(暦)―子供(忍)、中身が、大人(忍)―若造(忍野)―子供(暦)ってなるのも、いい。
忍が優しすぎたから、忍野がお人好しすぎたから、暦が愚かすぎたから。
偶然が出会って重なった運命だけど、本筋にはなれないし、ずっと一緒にも居られない。不思議なトライアングルだなあ。

あ、サブタイトルは、『後悔は大人の領域』をもじってみました。


――誓うよ。

君を害する全てのものから守ってあげる。
暴力からも、悪意からも、絶望からも、誘惑からも、

そして勿論、僕の欲望からも。

その為に君がどんなに傷ついたとしても、決して汚れる事のないように――



bake44.JPG







暦が大事すぎて、両想いって分かっているのに決して触れようとしない忍野さん。
実際、ナイトみたいだしなあ・・・と、妄想しておりました。

で、冒頭のような事をついったで呟いておりましたら、素晴らしき頂き物をしました・・・っ!

大好きなメメラギサイト、HEAVENWORDの桐島カンナ様より、騎士の忍野さんと、姫(?)の暦の、小さなおとぎばなしを、一つ。

いざ、パラレルワールドへ。







「なあ忍野。お前のその残酷な忠誠がたとえ僕を殺すのだとしても、お前は僕に触れてさえくれないんだな。」
「うん・・・ごめんね。僕はきみの---騎士だから。」

自分の心に決して応えずに、それでも愛よりももっと深い眼差しで、跪いたまま見上げて来る最愛の男へ暦は悲しげに微笑んだ。

暦は、明日には他の男のものになる。
それは意に添わぬ事だったが、暦に拒む力は無かった。
ならばせめてその前に、生涯で唯ひとり愛した男にたった一度抱き締めて欲しいと願った。
けれど。
願いを頑なに、それ処か触れる事さえを拒んだ男は、暦に剣を捧げてくれた暦だけの騎士だった。

「忍野。僕に忠誠を誓うと云うのなら、口付けを。」

暦はゆっくりと、その白い手を差し伸べる。
縋る目をして、泣き出しそうな笑顔で。
それでも。
「・・・・御意。なんてね。」
ゆっくりと進み出た忍野は、その求めて震える指先に触れてはくれず、床に長く曳いた黒衣の裾を、ゆっくりと取って口付けた。

「・・・・お前は本当に徹底してるんだな。」
「自分を戒めているんだよ、阿良々木くん。」
「・・・・そっか。」

小さく呟いて、暦は静かに瞳を閉じた。きつく唇を噛み締めて。

「なあ、忍野。」
「何だい?」
「すまないが、そこのグラスを取ってくれ。」

忍野は暦の示したサイドテーブルの上を見た。
そこには美しい細工のデキャンタの横に、一杯だけ透明な赤い飲み物の注ぎ分けられたグラスがあった。

「それを飲んだら、もう休むから。」
「・・・・・・。」

忍野はすっと立ち上がってそのグラスを取り、暦に手渡した。

「ありがとう。」

暦はグラスを受け取るふりをして、頑なに触れる事を拒む男の手にそっと触れる。

「卑怯だね、阿良々木くん。」
「はは・・・ごめんな。でも、最後だから。」

淡く笑って、忍野の手に微かに触れた指先を胸に抱く。
そして暦は、忍野がくれたグラスの中の致死性の毒をあおった。

たった一口で十分だった。
毒は暦の身体を廻る。
暦はグラスを傾け、残りの液体を床に撒いた。

誰も、自分を追わないように。
姉妹も、友人も---そして最後まで自分に触れる事を拒んだ最愛の男さえも、これから自分の往く煉獄へ来れないように。

「さよなら、忍野。」

暦の瞳から、堰を切ったように涙が溢れた。

 お前に触れて欲しかった。
 もっとシンプルで直載な愛で、出来るなら縛りつけて欲しかった。
 願わくばお前をこの手で捕まえて、抱き締めてキスしたかった。

暦の柔らかな唇から、一筋の血が流れ落ちた。

「阿良々木くん?!」

 お前がお前なりの愛し方を貫くと云うのなら、僕もまた、僕の愛を貫こう。
 お前が僕に触れないのなら、僕もまた、お前以外に一指たりとて触れさせはしない。

ゆっくりと---まるでスローモーションのようにその柔らかな髪の残像を残し、暦は床へ崩れ落ちる。


「阿良々木くん!!」

それを抱き留めた忍野は色を失ってそのいとおしい名を叫んだ。

「ああ・・・忍野。」

夢に迄見た、夢でしか触れられなかった腕に抱かれながら、暦は胸元に血を吐いて、笑った。

「嬉しいよ、忍野。」

血塗れの指先が、そっと忍野の頬に触れ、そして力を失って冷たい床へと落ちた。



---やっと、お前を捕まえた。
 
 
 




いかがでしょうか・・・悲恋エンドきたこれです! ちょっ・・・美しい・・・!

元々は拍手コメントで頂いたのですが、これ、私だけしか見られないなんて勿体無い! そんな贅沢をしたら通風になっちゃいますから! と泣きついて、アップ許可を頂きました。

快諾に感謝! 本当にありがとうございます!