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そのまま畳の上で踏み躙れば、まるで血をなすりつけるように、無残な赤が尾を引いた。
「お前よお、そんな昔にいっぺん通っただけの奴が、また来るとか、本気で信じてんのか?」
――超ウケる。
そう俺が吐き捨てても、阿良々木は、何も言わなかった。
ただ静かに花の残骸を見詰めて、俺の方を見ようともしない。
それが無性に悔しくて、腹立たしくて、子供のような癇癪がますます酷くなるばかり。
「シカトしてんじゃねえぞ。お前は、俺の――」
つ、と、阿良々木が動いた。
俺の足元に跪いて、指先でそっと千切れた花弁を拾い上げ、
「ごめん」
薄い色の着物に染みが着くのも気にしない風に、胸にそれを押し当てて、呟く。
「でもエピソード、僕は、――っ!」
力の加減も忘れて、肩から蹴り倒した。
呆気なく転がった身体の上に圧し掛かって、ぐいと顎を掴む。
「超ウケるっつってんだろ? あんま笑わせんじゃねえよ」
痛みに歪む顔にギリギリの距離で睨み上げるようにしながら、合わせに両手をかけて、一気に引き剥がした。
布の裂ける音に一瞬怯んだような顔をされて、胸が音を立てて痛むようだった。
だから、うんと酷くしてやろうと、初めて、思った。
続いちゃった!
遊郭って・・・いいよね。ルール無用のフリーダムスペースだよね。
つうか、寝ろ! 私! 落ち着いてから、寝ろ!
「謝らねえからな」
ぼんやりと目を開けた僕に最初にかけられたのは、そんなぶっきらぼうな声だった。
身体が恐ろしくだるい。腰から下はもう、自分の身体じゃないみたいだ。
指先を動かすのも億劫で、のろのろと顔だけをすぐ傍の顰め面に向けた。
「謝らねえ」
布団の上に胡坐をかいて、僕を抱きかかえるようにして、・・・腕、痺れないか?
「ああ・・・別に、謝られるような事は、されて、ない」
言ってる事とやってる事のちぐはぐさがおかしくて、ゆるく笑いながら告げた。ああ、ひどい掠れ声だな。
エピソードはそんな僕を見て、つまらなそうに舌打ちをした。
だって本当に、酷い事なんか。
まあ、確かに色々されたし、させられたけど、お前は、ただ僕をひたすらに求めてくれただけだから。
酷いのは、僕の方だ。
酷いのは、それでも、何も考えられないくらいに激しくされても、一秒たりともあいつの事を意識から消せなかった、僕の。
目線だけを動かして、畳に散った花弁を眺める。
また、買わないとなあ。
自分でも馬鹿だとは思うけれど、もう、あれが無いと落ち着かない気持ちになってしまって。
「――二度と、つけんな」
「え?」
心を見透かされたかと思った。
「あんな似合わねえもん、二度と、つけんな」
「あ、その」
本当に――酷いと思う。
あんな、乱暴なくせに泣いてる子供のような姿を見せられて尚、頷く事が出来ないのだから。
「――俺の前でつけたら承知しねえ。他の時も勿論だが、俺の前で、つけんなよ」
・・・。
それは。
「エピソード」
「返事は」
「お前は本当に・・・僕なんかには勿体無いな」
「てめえは本っ当に言う事聞かねえよな」
返事しろこの野郎、と額を押し付けられる。
うっかりすると更に声が掠れそうだったので、目を閉じて、そっと頷いた。
だから深夜に書き殴るのはやめなさいってば! 朝方のたうったでしょう!?
いいや、やめないさ! 俺のSCCはまだ始まったばかりだ!(可哀相な人が居る・・・!)
これのカテゴリは、エピラギにすべきなんでしょうか? うーん。
エピは無愛想健気が似合うと思うんだ。健気になったら、暦も当初の予定よりだいぶデレました。
◆どういうわけだか懐かれる
「阿良々木くんだって、別に僕に好いてほしくはないだろう。気持ち悪いことを言わないでくれよ、不愉快だなあ」
しっし。
そうして、冷たく手を振ってやった。
阿良々木くんは束の間言葉を失って何か思いを巡らせたようだが、それ以上言葉を重ねる事は無かった。
ちょっと言い過ぎた感はあるけれど、僕の君への扱いが荒い、なんて言うからだよ。
この僕にそんな事を言う人間が如何に希少かなんて、君は知らないんだろうなあ。僕は人に馴れ馴れしく振舞うことはあっても、馴れ合われるのは御免だという、身勝手な大人なのさ。
まあ、この非常時だ、これだけ言えば阿良々木くんも、少しは緊張感を取り戻して――
「――夜道に気をつけろよ、テメエ」
・・・あれ、何だこの甘えた声。
何かさっきの台詞、ちょっとした意地悪くらいに流されてないか?
「心配ご無用。僕は夜行性でね」
無用どころじゃない。
信頼しきった、油断しきった眼差し(クールなつもりなんだろうなあ)に内心溜息を吐きながら、僕は、自分の不手際を軽く呪うのだった。
(そういや『深い仲』なんて言った時も、特に否定しなかったなあ、この子)
参ったなあ、うっかり両思いじゃん。
--- -- - -
◆行動力に度肝を抜かれる
◆恋愛対象には・・・ちょーっと無理だろ・・・
◆相手が必死すぎて心が折れそうです
◆分かった分かったから、
他のお題も、思いついたら埋めていきます。
「chiru」様より。
まるみらの湊さんから頂きました。ありがとうございます!
湊さんのぬこらぎこは絶品だった、ぜ・・・へ、へへ・・・(犯罪者の目付きで)。
だが、あの澄み切った瞳を前にしては到底いたずら心なんて起き・・・・・・・・・・・・起きないぜ!
指定→[ぬこらぎこ小]
は、半裸で[ぬこらぎこ小]!?
これはいい無茶振り・・・うけてたつ! うけて、たつ!!(平仮名なのはわざとじゃないよ!)
まあ、折角ですから、画像アップロードのテストも兼ねまして。
私でなく忍野さん家に、出現させてみたいですよね。
・・・少し、大事な何かを失った気がするが、気がするだけであろう、多分。
1.朝起きたら半裸の[ぬこらぎこ小]が隣に寝てました。どうする?
>>
目覚めると、僕の腕を枕にして阿良々木くんが眠っていた。
いや、ここまでは昨夜の通りなんだけど――
「・・・」
半裸というか、全裸だった。
昨夜は、ええと――と記憶を辿る。
終わって、適当に始末して、彼は半分眠りに落ちながら、僕に倒れ掛かりながらも、ももそもそとパーカーくらいは羽織っていたと思うのだけど、あれは何処に行ったんだ。
と、思いを巡らすまでも無く、その小さな身体の下に敷かれているのを発見。
ああそうか、服のサイズが大きすぎて、寝ているうちに脱げたんだな。抜け出したといった方がいいかもしれないけど。
――うん、現実逃避、終了。
すやすやと寝息を立てる阿良々木くんは、確かに阿良々木くんと分かる姿形なのだが、
「・・・忍ちゃんサイズじゃん」
年の頃なら8歳くらい。
跳ねたアホ毛も、長い睫毛もそのままに、阿良々木くんがダウンサイジングしていた。
頼りなく小さな身体を丸めるようにして、僕にくっついて眠る8歳児。
「何の、罰ゲームだ」
こういうサービスは求めてないよ、阿良々木くん・・・。
あと。
何で猫耳とか生えてるんだ。
ここまで来ると素直に夢だと思いたいのだが、そうなると僕は僕自身の正常性について少し考え直さなければならなくなるので、それもちょっと。
2.そんな事をしていると半裸の[ぬこらぎこ小]が目覚めた!どうする?
>>
そんな事=腕枕をしたまま硬直していると、僕の内心の動揺が伝わったか、阿良々木くんの目蓋が震えて、ぱちりと開かれた。
「・・・ふあ、おしの・・・おはよ」
そのままの姿勢で僕を見つけて、くあ、と小さく欠伸なんかしている。
まるで本物の仔猫のようで、いや、可愛いよ? 可愛いけど、だったらいっそ純正の猫にでもなってくれた方がまだ対処のしようがあるんだよ・・・。
「? どした?」
むくりと身体を起こして、立ち上がろうとする。
「うわちょっと待ったそのまま! じっとしてろ馬鹿!」
全裸だし!
さっきから僕の頭の中をちらちらと見え隠れしていた『犯罪』の二文字が、コンクリート塊の如き存在感で迫ってきてるよ!
「――え・・・?」
思わず大声を上げたら、肘をついて起き上がろうとする途中の姿勢のままびくりと止まった阿良々木くんが丸く見開いた目でこちらを見上げてきて――じわあ、とその瞳が潤んでしまう。
「あああごめんごめんごめん泣かないで。怒ってないから!」
慌てて身体を起こして、泣き出しはしないものの戸惑った色を浮かべる彼と向き合った。
机の上にぺたりと座り込む阿良々木くんは本当に小さくて、片手でゆうに運べそうだ。しかし、
「・・・君はこの状況、」
変だと自覚して、ないのか?
いきなり自分の身体が小さくなって、あまつさえ冗談みたいなオプション付きだというのに、彼の戸惑いの対象は、全て僕の反応に向けられているようだった。
「なんだ? おしの」
幼い口調ではあるが、特に動揺している様子も無い。僕の事も分かっているようだし・・・なら、下手に刺激するより様子を見るか。
「いや・・・何でもないよ。どこか、具合の悪いところある?」
「・・・さむい」
すり、と僕の胸に擦り寄ってくる猫耳子供。まあ、寒いだろうね、裸だからね。
未発達の幼い肢体が僕の肌蹴た胸に、って、こんな犯罪的な事をモノローグする羽目になった僕の身にもなれこのクソガキ!
「だから、くっついてくんじゃね・・・」
ああ、今朝は何だか阿良々木くんを怒鳴ってばかりいるなあ。
「! ・・・」
そして泣くよな、大人に大声出されたら子供は。分かってる、知ってるよ畜生。
僕は深く溜息をついて、軽く手を広げた。
「・・・分かった、おいで」
「ん」
途端、嬉しそうにぺたっと抱きついてくる阿良々木くん。頭のほうも子供なんだな・・・。
高校生相手に色々するのも相当アレだなーとは思ってたけど、上には上、下には下。人生何があるか分かんないよねー、と心で呟きながら、片手で小さな背中(僕の手で腰が掴めてしまいそうだ)を抱いて、傍らのパーカーを拾い上げた。
3.半裸の[ぬこらぎこ小]に作ってあげたい自慢料理は?
>>
はあ、もういいや、夢ってことで。
疲労を覚えたので、僕はひとつ、人として大事なものを棚上げしてみた。
阿良々木くんの服は着せたところでどうせ肩から落ちてしまうので、そのままくるんでしまった。
――正直に言う。滅茶苦茶可愛い。
「お腹、空いてる?」
「ちょっと」
「ドーナツは全部食べちゃったしなあ・・・。――後で買ってあげるから、ちょっと我慢して」
「ん」
髪の毛を揺らして、こくりと頷く。
素直でよろしい。それに助かった。
ここで駄々を捏ねられたところで、どうしたって外になんて連れて行けない。ここに残して出かける事も出来ない。
同じような背格好でも、人生(?)経験500年の忍ちゃんとは、訳が違うのだ。
大体、こんなの連れ歩いたりして、おまわりさんに捕まりたくないし、
――あらゆる意味で、人目に晒したくないし。
しっかし、少し落ち着いて眺めると、本当に子供なんだよな・・・。
無邪気な眼差し、素直な物腰。
安心し、全てを委ねきった様子で胸元から僕を見上げてくるその姿は、阿良々木くんでありながら――サイズとオプションのことを差し引いても――、阿良々木くんとは違う印象を僕に与えた。
比べてみると通常の彼は、僕の前では少々緊張している、張り詰めた雰囲気だったのだ。
「・・・阿良々木くん、僕の事怖いかい?」
「なんで?」
何でかな、そう呟いて、小さな頭をそっと撫でた。
嬉しそうに目を細めて、うっとりと耳を寝かせる彼を見ていると、何故だか少し、胸が痛かった。
4.半裸の[ぬこらぎこ小]とドライブ。何処へ行く?
>>
車でもあれば、買い物連れて行けたかなあ。
「でもごめんねー、僕、免許持ってないんだ」
「べつに、いい。おしのといっしょに、あるくのが、いい」
「・・・大きくなったら、一緒に行こうか」
「うん」
そう嬉しそうに笑われると。
そういえば、いつだったか彼と街を歩いたことがあった。
買い出しに出た時だったか、彼に荷物運びを手伝って貰ったのだった。
いつものように下らないことを喋りながら、心の片隅で、こういうの珍しいなと考えていたのを覚えている。
一緒に歩くのがいい、か。
5.半裸の[ぬこらぎこ小]があなたの為に歌ってくれる。何を歌ってもらう?
>>
「歌ねえ・・・あ、じゃあさ、あれ歌ってよ、照れ屋ちゃんの歌」
流行りの歌には疎いが、先日とある事情でお喋りする事になった、照れ屋ちゃんの持ち歌。あれは可愛かったなあ。高校生バージョンだったらちょっと抵抗あるだろうけど、子供なら男女の別もさしてあるまい。
そんな、ちょっとした思い付きだったのだが。
「わかった!」
張り切って歌いだす阿良々木、く、ん――て、
「『でもそーんにゃーんじゃ、だーめっ♪』」
「・・・!」
にゃ、って、おい・・・。
「『めーぐーりーあえたことがー、しあーわーせーにゃーにょー♪』」
少しはにかんで頬を染めながら、ボーイソプラノの少年が猫語で恋の唄を歌う姿は、それはもう強烈に犯罪的だった。
パーカーの裾からはみ出した、仔猫らしい短めの尻尾が、愛らしくリズムを取って揺れる。
いや、違うんだ、僕はもっとこう、ほのぼのした絵ヅラを想像していたんだ。こんな、訴訟なら100パー僕の敗訴みたいなトラップじゃなくて・・・。
「(中略)『ずーっと、ずっと♪』 ――うたえたぞ、おしの!」
えへんと言わんばかりの阿良々木くんの笑顔が眩しい。
まっしろまじめ光線こそ出ていないものの、出ていない故にこそ、それは直視出来ないくらいに。
「そうだねー・・・ごめんなさい」
今はただ謝らせて欲しかった。そうしないと、何らかの真面目な機関からお叱りを受けそうだ。
「なんであやまるんだ? へただったか?」
「・・・いや・・・。上手だったよ、ありがと」
(湊さんの真似っこさせて頂きました! あれは神チョイスと言わざるを得ないキリッ)
6.半裸の[ぬこらぎこ小]があなたに何か1つしてくれるって!時間は5分。
>>
今の阿良々木くんが僕にしてくれるべき事はただ一つだ。
早く元に戻って欲しい。切実に。
「なにがいい? おしの。なんでもするぞ?」
また張り切ってんなあ。
「・・・うん、ありがとう、でもいいよ、今、歌も歌ってもらったしね。(これ以上罪を重ねたくないし、)ここに座ってなよ」
「そっか」
やんわり断ってまた頭を撫でてあげると、心なしか猫の方の耳が寝てしまった。
阿良々木くんは僕に借りを返したがってる所があるからなあ・・・肩でも叩いてもらおうかな。
それなら、兄弟、いや、確実に親子っぽいかも。
複雑な気もするが、訳の分からない罪悪感に苛まれるよりはマシだ。
そんな事を考えていると、あ、と小さく声を漏らして、阿良々木くんの耳がぴょこっと立ち上がった。
「どうしたんだい?」
「あのな、おしの・・・えっちなことでもいいぞ!「いやいやいやいやいやいやいやいや!!」
唖然として、台詞を遮り損ねてしまった。
えっちって、何を言い出すんだろうこの馬鹿猫子供は。
そんな子供の姿で言われても、悪いけど全くそんな気は起こらない。
そろそろ見慣れてきた半裸の格好も、もはや単なるその辺の子供(夏)にしか見えな――
「なあ、おしの、いれるのはむりでも、くちでなら、できrむぐ「頼むからちょっと黙ってくれるかな阿良々木くんははは」
年端も行かない子供の口を押さえる中年の姿が、そこにはあった。
問題あるのは分かっているけれど、僕としては寧ろ、出来るだけ力を入れないようにした配慮を褒めて欲しいくらいだ。
何処の国の生物兵器なんだよこの子供は・・・。死にたくなったらどうしてくれる。
――全くそんな気が起こらない、は、本当。
問題は、このエロい誘いをかけてくる(勘弁してくれ)子供が、阿良々木くんである――という事。
この相手を抱いた事があるという事実と、目の前の稚い様のミスマッチ具合が、僕を動揺せしめているというわけだ。
「――ぷは。なんだよいまさら。ぼくらもう、しらないなかじゃないだろ」
「そういうことは忘れておけよ今は!」
結局また怒鳴ってしまったが、阿良々木くんは、今度は楽しげに尻尾を揺らめかせ、くすっと笑っただけだった。
7.あなたが半裸の[ぬこらぎこ小]に1つだけ何かしてあげられます。
>>
何だかこの数時間で、一気に歳食った気がする・・・。
「うーん、何かしてほしいこと、あるかい?」
エロい要求でもしてきたら説教だ、と思いながら尋ねてみた。
阿良々木くんは一回耳を震わせて考え込み、やがて、僕を見上げて柔らかく微笑んだ。
「えっと・・・ぎゅっとして」
「!」
ある意味難易度が高いな、恥ずかしいって意味で。
あと、一瞬エロ要求を想定した僕が無駄に駄目な大人っぽい。
そんな僕の心情にお構い無しで、阿良々木くんは、さっきの妖艶な笑みが嘘のように、腕を伸ばしてくる。
抱き締めるなんてもう珍しくも無い事だけど、改めて言われると普通に照れくさいものだ。
僕はあまり力を篭め過ぎないように、しかししっかりとその矮躯を抱いた。
腕が余ってしまうくらい細い身体。僕の首に回された細い腕。
「へへ」
嬉しそうな笑い声を聞きながら、目を閉じて。
ああ、大事だなあ――と、心から思った。
--- -- - -
その後、一晩明けたら僕の身体は元に戻った、らしい。
らしいというのは、ショタ猫化していた時の記憶が、僕に残っていなかったからだ。
だからそんな恨みがましい目で見るなよ忍野。何をやらかしたんだ、ショタ僕。
まあ、何らかの形で忍野を困らせたらしいのは確かなので、僕は僕を褒めてやりたい所だが。
「阿良々木くん、何で仔猫なんかになっちゃったの」
苦笑しながら忍野が尋ねてくる。
僕は少し考えて、答える。
「なりたかったから、じゃないか?」
「だから、なんで?」
「教えねえよ」
小さい猫にでもなったら、そのポケットに入ってどこでも一緒に行けるかもしれないから。
なんてな。
8.次に回す人を5人まで!人物指定付きでどうぞ!
>>
急には思いつかないよ、こんな高等なバトン!(笑)
とりあえずフリーで置いておきます。
ある日突然誰かのところに行って強要するかもしれません(都市伝説か)。
バトンお持ち帰り:
http://www.blogri.jp/baton/?id=77522
ああ、忍野さんと一緒に動揺したけど楽しかった!
ちょっとぬるかったでしょうか。でも、激アツでやったらとてもまずい気がするの。
4/28、色々と付け足しました。
昨日は最後の方ちょっと寝てて、不本意な部分が多々あったので。
どう考えても余計な事をしてみた!
それに、嬉しい拍手を頂いたけど、返信不要っておっしゃるからさ・・・湊さんは私に、勇気を下さったのです!(名前出しちゃった!)
忍「あー・・・それは揺れるねえ」
阿「だろう・・・そう言われて、そこで悩む事を責められるのは納得いかないぞ、僕は!」
忍「委員長ちゃんの胸なだけにねー」
阿「ああ、羽川の・・・」
忍「・・・」
阿「・・・あ、お前、想像してないだろうな!? 僕の羽川を汚したら承知しないぞ!」
忍「うわ、殴りてえ!」
--- -- - -
メメラギでなく、30代と高校生の会話。
よくくだらない雑談してるようですが、どんな事話してるのかなあ。アニメの話かなあ(笑)。
べ、別に、下のが恥ずかしいから流そうとなんて、してないんだからねっ!
*
全然関係ないけど、某L@SHの『ふわふわり』って、イランイランの香りなのよね。
イランイランには確か、催淫効果があるとか何とか・・・色々考えちゃってごめんなさい、撫子様。
ついったの流行りに乗ってみる私である。
忍野さんが先生、阿良々木くんが生徒という、ね。
これはやっとかねえと! という気持ちで。
何の先生がいいかな。保険医も捨て難いのですが、古典もいい・・・。
せっかくだからここはかぶらないように、社会とかにしようかな。
じゃあ、暫定で、日本史。+阿良々木くんのクラスの担任。
ずかずかずかずか。
漫画ならそんな書き文字が見えそうな後姿が、19時の街、人気の無い道を歩いていく。
肩を怒らせて鞄を揺らして、アホ毛も心なしかいつもより尖っているように見えて、小さく笑ってしまった。
軽くアクセルを踏み込んで、彼の隣まで車を近づける。
エンジン音に気付いて振り向く前に、窓を下げて、
「――そこの君、乗っていかない?」
明るく軽く、ナンパしてみた。
「・・・」
びっくりした顔で僕を見返した阿良々木くんはしかし、すぐにぷいと顔を前方に向けてしまった。
無視か。これはだいぶ怒ってるなあ。
「こんな夜道の一人歩きは、危ないですよ」
「・・・」
車の速度を彼の歩調に合わせ(時速7キロ)、尚も声をかけてみる。
「行き先、一緒だと思うんだけど」
「・・・ついて来ないでください」
いつに無く低い声に、おやと軽く眉を上げた。
「・・・阿良々木くーん、まだ怒ってんのー」
「別に、怒ってません」
そんな、こちらを一瞥もせずに、競歩みたいな速度で歩いておいて。
唇を引き結んだ横顔も中々凛々しくて(嘘、可愛くて)悪くは無いけど、こう素っ気無い態度を取り続けられると、こちらも少々面白くない気分になってくる。
「・・・いいじゃんキスくらい。減るもんじゃなし」
「っ!」
阿良々木くんは弾かれたようにこちらを向くと、きっ、と僕を睨んで、
「ついて来るなって、言ってんだろ!」
歩道をダッシュして――、ビルの間へと駆け込んで行った。
「あ、こら! ――ったく」
ここまでされるとは流石に予想外。
僕は思わず舌打ちをして車を路肩に寄せ、コンクリートの高い壁の隙間に走り込んだ。
あそこ駐禁だったかなあ・・・というか、若干焦って降りたものだから、キーがついたままだ。早いところ捕まえないと。
「来るな馬鹿!」
捨て台詞を投げながら、阿良々木くんが路地裏の暗がりを走っていく。
ああもう、僕は某・暴力体育教師じゃないんだぞ。
毒づきながらもダッシュをかければ、容易く彼との距離を縮めることが出来る。悪いけどコンパスが違うからね。
「っ――」
細い手首を掴んで、
「はい、つかまえた」
勢い余って後ろによろけた彼を、腕の中に閉じ込めた。
「は、離せ!」
どさりと鞄を落とし、諦め悪くじたばたと暴れる阿良々木くん。
空いている方の手を振り回すものだから、ちょっと危な――
「――っ、て」
「あ・・・」
振り上げた拳を避け損ねた。
――いや、当たるなーとは思いつつ、離したくなかったから、離れなかっただけ、なのだけど。
うん、阿良々木くんに逃げられるという事象は、結構こたえるものだと学んだ。
「ご・・・ごめん」
途端に大人しくなった阿良々木くんは、図らずも僕を殴ることになった手を握り締めて、俯いてしまった。
「・・・いいけどさ。何、そんなに怒ってるのかい?」
僕から逃げたかったのかい、とは聞かない。聞けない。
「お・・・怒ってる、というか」
こまる。
殆ど、呟くような声で。
ああいうのは、こまる、と告げたのだった。
「・・・そんなに?」
軽く震えてさえいるような声に、正直困惑してしまう。
放課後、集めたノートを抱えて準備室に訪れた
(『失礼します。忍野先生、ノート持って来ました』『ああ、ありがとう、その机に置いといてー』)
阿良々木くんを、ドアのところで引き留めて、
(『では失礼しま――』『ちょい待ち』)
キスしただけ
(『はい? ――! ――っ』)
なんだけど。
ドアに手をついて閉じ込めて、本当に、挨拶みたいに軽く。
『普通の先生と生徒』を、阿良々木くんがあまり上手に演じてみせるものだから、ちょっとちょっかいをかけたくなった、だけなんだけど。
目をまん丸に見開いたままキスを受けた阿良々木くんは、
(『――イイ子だね阿良々木くん、ちゃんと生徒してて』『・・・っ』)
無言で僕を突き飛ばして、過剰な反応に驚いた
(『え?』)
僕をそのままに、廊下を駆けて行ってしまったのだ。
家ではもっと凄いことしてるのに、何を今更。
と言いたかったけれど、またキレられても困るので、黙って彼の言葉の続きを待つ。
ずっと握り締めていた手首は開放してやり、向き合う格好で立ち尽くす阿良々木くんの背中で、緩く手を繋いで。
「だって、学校ではそういう事しないようにしようって」
「・・・まあ、そうだけどさ」
「だから頑張って、そういうこと、考えないようにしてたのに」
「・・・」
「忍野からそんなことされたら、――止まらなく、なるだろ・・・」
・・・うわ。出たよ爆弾発言。
不意にこういう、可愛すぎる事を言い出すから困る・・・のは、こっちだっての。
「阿良々木くん、あのさ、あんまりそういう「忍野は、」
やばいかも、と思って遮ろうとした僕を、更に遮る阿良々木くん。いつの間にか、その手で僕のシャツを握っている。
「忍野は大人だから大丈夫なんだろうけど・・・僕には、そういうの、無理だから」
いや、大丈夫じゃないからしちゃったんだって。
「ただでさえこっちは色々見せ付けられてるのに、あんまり、煽るような事するなよ」
「・・・見せ付ける、って?」
さりげなく、阿良々木くんの首筋から後頭部へと、手を這わせる。
「無自覚かよこの野郎・・・あれだけ毎日女子に囲まれておいて、よくそういう事が言えるよな!」
「ああ、そういう事」
身を屈めて、額を合わせる。
口調こそまだ怒っているものの、阿良々木くんはもう逆らわず、緩く笑う僕の目を拗ねた表情で睨んでくる。
「だってどうでもいいからさ、そんな事。――言わなかったっけ?」
君に惚れちゃったんだー、って。
そう囁きながら、既にごく近くまで近付いていた唇を、柔らかく塞いだ。
「ん、――おし、の」
抵抗は、無かった。それでも、
「だめ、外、で」
あえかな声の抗議がある。
形ばかりの制止をからかいたくなって、閉じていた唇を舌でつつけば、僅かに隙間が空けられた。
「ふあ、――・・・」
滑り込ませた舌にそっと応えてくる動きが、小さな水音をたてる。
「誰も、来ないよ」
一瞬離れる合間に呟きながら、阿良々木くんの背が仰け反る程強く、腰を引き寄せる。
「わ、かんないだろ・・・っ」
ビクリと震えて声を上げながらも、その瞳はうっとりと潤んでいる。
「いいよ、別に、見られても」
暗がりでも分かる程上気した頬にも、口付けた。二人の唇から零れる息が、肌寒い大気に浮かび上がるようだ。
「忍野・・・?」
「もしここに居られなくなったら、駆け落ちでもしよう」
自分でもびっくりする事に。
こんな浅い時間にこんな薄暗い路地裏で男子高校生相手に、僕は、本当の本気でそう口走っていた。
「――駆け落ちって」
阿良々木くんが、くすっと笑いを漏らす。
「なに、子供みたいな事言ってるんだよ。そんなこと、出来るわけ無いだろ」
「僕、こう見えても結構サバイバル能力あるんだよ。歴史のフィールドワークがてら全国放浪するとか、どう?」
「それは・・・楽しそうだけど」
僕の肩に手をかけて、阿良々木くんは微笑んだ。
「――いいよ。何処にも行かないで。今のままが、僕はいい」
「・・・そっか」
僕も笑って、仕上げとばかりにもう一度、阿良々木くんを抱き締めた。
そんな夢を見た。
というオチでもいいかもしれない。
暦も忍野も、辿れなかった未来に苦笑するといいかもしれない。
おまけ。
「あー、阿良々木くんに殴られたほっぺたが痛いなー」
「う、だ、だから悪かったってば・・・」
「咄嗟に歯を食いしばらなかったので、口の中が切れてるなー」
「何だその説明台詞・・・」
「舐めとけば治るかも」
「・・・」
「阿良々木くんが」
「・・・自分で舐め、ぅあっ!?」
咎めるように突き上げられて、思わず高い声が出てしまった。
「阿良々木くんが舐めてくれたら、治るかもー」
ふーんだ、とでも言いたげに(キモい)目を逸らす忍野。
人の下でがっちり腰を掴まえておいて、何拗ねてんだこのオッサンは!
その身体に跨る体勢でいつもより視点が上にあるせいか、余計にしょうもない行動に見える。
「・・・っ、あのな忍野、口の中の傷を舐めたりしたら、そっちの方が余程痛いだろうが」
「・・・優しくして?」
「気持ち悪い事言うな! ――って、ちょっ・・・」
僕の腰を掴んでいた手が背中に滑って、ぐいっと身体を倒された。
角度が変わって当たる所も変わって、体の中心を抜けて行く感覚に息が荒くなる。
「――っ、ん・・・」
何とか声を抑えて間近で睨んでも、どうせ効果は無いのだけど。
「ほら。阿良々木くんのキスが上達したかどうか、採点してあげるから」
このエロ教師・・・っ!
「――痛くしてやる!」